公開: 2023年6月19日
更新: 2023年6月19日
人類が麦や大豆などの穀物となる植物を見出し、それらを畑で栽培して、主たる食料にするようになったのは、今から約13,000年前のことだと思われます。この農耕を主とした生活様式は、それまでの狩猟と採集を中心とした生活様式と比較すると、とても安定したものでした。このため、人間の集団の規模は、それまでとは比較にならないほど、大きな規模になりました。さらに、人類は、農耕の場合、集団の規模を拡大し、耕地面積も拡大すると、収穫できる穀物の量が大幅に増大することも発見しました。
これらのことを学んだ人類は、収穫した穀物だけでなく、農耕のために耕した耕作地を定め、同じ場所で耕作し続けることに利点があることを知りました。これが、土地の所有を人類に、意識させるようになりました。土地の所有の意識が生み出されると、ある耕作地を利用している集団と、その近くの耕作地で穀物を育てている集団との間で、どこまでが自分達の耕作地であり、どこからが他の集団の耕作地であるかの境界線についての争い事が発生するようになりました。この争いは、次第に過激になり、相手の集団の構成員を殺す争いにまで、発展するようになりました。